Pマークとは?取得すると何が変わるのか、やさしく解説
取引先から「プライバシーマーク(Pマーク)はお持ちですか」と聞かれた。あるいは、入札の条件にPマークの文字を見つけた。そんなきっかけで、Pマークとは何なのか、取得すると会社の何が変わるのかを調べ始める方は少なくありません。
この記事では、Pマークの仕組みと、制度を運営する一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が示している取得のメリットを、取得を検討し始めた方にも分かる言葉で整理します。あわせて、誤解しやすい点や、会社の状況によって変わる点もまとめました。
SECTION 01
Pマークとは、どんな制度?
個人情報を守る体制を評価し、マークの使用を認める制度
少し長い説明ですが、要点は二つに分けられます。一つは、評価されるのが「会社の個人情報を守る体制」だということ。もう一つは、評価を受けた会社が、その証としてマークを事業活動で使えるようになるということです。
「マネジメントシステム」という言葉の意味
説明の中に出てくる「個人情報保護マネジメントシステム」は、個人情報をどう扱うかのルールを決め、その通りに運用し、確かめて、改めていくための社内の仕組みを指します。Pマークは、一度書類をそろえれば終わる認定ではなく、この仕組みが社内で回っているかどうかを見る制度だと捉えると、全体の流れがつかみやすくなります。
Pマークは「個人情報を守る会社の仕組み」に対する評価であり、マークはその評価を外に示すための目印です。
SECTION 02
制度は何のためにある?
JIPDECが示している二つの目的
JIPDECは、プライバシーマーク制度の目的を大きく二つに分けて説明しています。
一つ目は、目に見えるマークで示すことによって、個人情報の保護に関する生活者(消費者)の意識の向上を図ることです。二つ目は、適切な個人情報の取扱いを推進することによって、生活者の個人情報の保護意識の高まりにこたえ、社会的な信用を得るためのインセンティブを事業者に与えることです。
生活者と事業者、両方に向けた制度
この二つの目的を並べると、制度が生活者と事業者の両方に向けられていることが分かります。生活者にとっては、個人情報を預ける相手を選ぶときの目安になります。事業者にとっては、個人情報を適切に扱っていることを、言葉だけでなくマークという形で伝えられる手段になります。
一方、事業者側のメリットとして、JIPDECは「顧客からの信頼度アップ」「ビジネスチャンスの拡大」「個人情報管理体制の整備」の三つを挙げています。外に向けて信頼を示すことと、社内の仕組みを整えることの両方が含まれている点が、この制度の特徴です。三つの中身は、次のセクションで順に見ていきます。
SECTION 03
取得すると、会社の何が変わる?
JIPDECは、消費者やプライバシーマーク付与事業者の声をもとに、事業者にとってのメリットを三つにまとめています。ここではその三つを順に見ていきます。
1. 顧客からの信頼度が上がる
Pマークは、「個人情報を適切に管理している」と評価された企業が使用できるマークです。取得している企業は、個人情報を適切に取り扱っていることを一目で示せるため、消費者からの信頼が得られるとJIPDECは説明しています。JIPDECが公表した消費者意識調査では、消費者の78%がPマーク取得企業は信頼できると回答したとされています。
個人情報を預ける側から見ると、相手の会社の中でどのように情報が扱われているかは、外からはなかなか分かりません。マークは、その見えにくい部分について第三者の評価を受けていることを示す手がかりになります。名刺やホームページなど、顧客や取引先の目に触れる場所に表示できることも、信頼を伝えるうえでの利点です。
2. ビジネスチャンスが広がる
個人情報の漏えい事故が頻発する中、多くの企業が取引先を選ぶ際に個人情報の管理体制を重視するようになっているとJIPDECは述べています。Pマークの取得が、官公庁等の入札参加条件になっていることもあります。取引先から管理体制について確認を求められる場面や、入札に参加したい場面で、取得が判断材料の一つになり得るということです。
ただし、取引先がどのような管理体制を求めているか、入札の条件に何が書かれているかは、相手や案件によって異なります。取得を検討するきっかけが取引先や入札にある場合は、まず相手が求めている条件そのものを確かめておくと、Pマークが合っているのか、別の仕組みが求められているのかを判断しやすくなります。
3. 社内の個人情報管理の体制が整う
Pマークの取得には、適切な個人情報管理体制の構築と運用が必要です。JIPDECは、個人情報の取扱いに関するPDCAサイクルを継続的に運用することで、管理体制の継続的な改善につながると説明しています。外からの評価だけでなく、社内のルールや意識が整っていくことも、取得の効果として挙げられています。
JIPDECは、付与事業者へのアンケートで「従業者の個人情報保護意識が向上している」という回答があったことも紹介しています。ルールを紙に書くだけでなく、教育や内部監査を通じて社内に浸透させていく過程そのものが、事故を防ぐ力につながっていくと考えられます。
信頼、取引の機会、社内体制。この三つのうち、自社がどれを一番の目的にするかを先に決めておくと、取得に向けた準備の優先順位が付けやすくなります。
SECTION 04
取得までは、どんな流れで進む?
JIPDECが示している六つの段階
JIPDECは、Pマーク取得までの流れを次の六つの段階で示しています。
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方針の決定から規定の作成
個人情報をどう守るかの方針を決め、社内のルールとなる規定を作ります。
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運用
作ったルールに沿って、実際の業務の中で運用します。
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教育・内部監査の実施
従業者への教育を行い、ルール通りに運用できているかを社内で確かめます。
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Pマーク申請
準備が整ったら、申請先の機関へ申請します。
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審査(書類審査・現地審査)
書類と現地の両面から、体制と運用の状況が審査されます。
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Pマーク取得
審査を経て、Pマークが付与されます。
申請の前に「運用」の段階がある
流れを見て気づくのは、申請より前に「運用」と「教育・内部監査」の段階が置かれていることです。規定を作っただけで申請するのではなく、実際に回してみて、確かめたうえで申請する順番になっています。取得までの準備期間を考えるときは、この運用の期間も含めて見積もる必要があります。
SECTION 05
押さえておきたい基本の条件は?
JIPDECのページでは、制度の基本的な条件がいくつか示されています。検討の初期に知っておくと、社内で説明するときにも役立ちます。
付与の単位と対象
Pマークの付与は法人単位です。部署や事業所ごとではなく、法人として取得する制度だという点は押さえておきたいところです。また、付与の対象は国内に活動拠点を持つ事業者とされています。
有効期間と申請先
付与の有効期間は2年間です。取得して終わりではなく、期間ごとに更新していく制度だと理解しておく必要があります。申請先は、JIPDECのほか、19の審査機関が申請を受け付けているとされています。
費用と準備期間
費用は事業規模によって異なるとJIPDECは説明しています。取得にかかる期間については、準備から取得まで概ね6カ月から1年ほどとされています。ただし、これは一般的な目安であり、自社の規模や現在の体制、準備に割ける時間によって変わります。
マークを表示できる場所
取得後のマークは、ホームページ、店頭、パンフレットなどの宣伝・広告用資料、封筒、名刺等に掲載できるとされています。取引先や顧客との接点で、管理体制を示す目印として使えるということです。
SECTION 06
誤解しやすいのは、どんな点?
取得はゴールではなく、運用の始まり
Pマークは、書類をそろえて審査に通れば終わる資格のように受け取られることがあります。しかし、制度の説明にある通り、評価の対象は個人情報を守る体制であり、その体制を運用し続けることが前提です。有効期間が2年間であることからも、取得後の運用と更新が続くことが分かります。
期間と費用は、会社の状況で変わる
準備期間の目安や費用は、事業規模や現在の体制によって大きく変わります。インターネット上の事例や他社の話をそのまま自社に当てはめると、見込みがずれることがあります。目安を知ったうえで、自社の状況に合わせて確かめることが大切です。
審査をするのは審査機関
取得を支援するコンサルティング会社と、審査を行う機関は別です。支援を受けることで準備の負担を減らすことはできても、審査の結果を約束できるものではありません。この違いを押さえておくと、支援会社を選ぶときの判断もしやすくなります。
SECTION 07
取得したあとは、何が続く?
日々の運用と、教育・内部監査
取得後も、作ったルールに沿って個人情報を扱い、従業者への教育や内部監査を続けていきます。JIPDECが挙げるPDCAサイクルの継続的な運用は、取得後にこそ意味を持つ部分です。
指針の改定への対応
制度の基準となる指針は改定されることがあります。ワークストラストのページでは、2023年12月25日に「プライバシーマークにおける個人情報保護マネジメントシステム構築・運用指針(改定版)」が公表され、2024年10月1日から改定版による申請・審査となっていることが案内されています。取得済みの会社は、こうした改定にも合わせていく必要があります。
2年ごとの更新
有効期間が2年間であるため、期限に合わせて更新の準備を進めることになります。運用の記録を日頃から残しておくと、更新の準備も進めやすくなります。
ワークストラストの運用更新支援では、必要な支援だけを選べる選択型のプランや、2年間を通して支援する契約プランのほか、運用書類のスリム化や入力の代行といったメニューも案内しています。取得後の負担をどう減らすかも、検討の早い段階から考えておきたいポイントです。
取得の準備をするときから、取得後に続けられる運用の形を考えておくと、更新のたびに慌てることを減らせます。
SECTION 08
検討を始めるとき、何から考える?
取得の目的をはっきりさせる
取引先からの求め、入札への参加、社内の管理体制づくりなど、取得を考えるきっかけは会社ごとに違います。目的によって、急ぐべきか、どこに力を入れるべきかが変わるため、最初に目的を言葉にしておくと話が進めやすくなります。
今の体制と、準備に割ける時間を確かめる
個人情報をどこでどう扱っているか、ルールがどこまで決まっているか、担当者がどれだけ時間を取れるか。こうした現状を把握すると、準備にどれくらいかかりそうかの見通しが立てやすくなります。
相談先を選ぶ
プライバシーマーク制度のサイトには、相談の窓口やセミナー情報の案内も掲載されています。制度そのものについて確かめたいときは、こうした窓口も活用できます。
ワークストラストでは、Pマークの新規取得から運用・更新までを支援しています。新規取得の支援は従業員規模に合わせたコースに分かれており、書類作成・教育・審査準備までを支援して、お客様の作業を減らすことを目指しています。取得済みの会社には、必要な支援だけを選べるプランや、指針の改定版への対応なども用意しています。
SECTION 09
社内で話し合う前に、何を整理しておく?
取得を本格的に検討する前に、社内で次のような点を整理しておくと、相談先との話もスムーズに進みます。どれも正解が一つに決まるものではありませんが、言葉にしておくだけで判断がしやすくなります。
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取得を考えたきっかけ
取引先からの求め、入札への参加、社内の管理体制づくりなど、何がきっかけなのかを書き出します。
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扱っている個人情報の種類と量
顧客、従業者、取引先担当者など、どのような個人情報を、どの業務で扱っているかを把握します。
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すでにあるルールや書類
就業規則や情報の取扱いに関する決まりなど、今あるものを集めておくと、足りない部分が見えやすくなります。
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担当者と準備に使える時間
誰が中心になって進めるのか、通常業務と並行してどれくらいの時間を割けるのかを確かめます。
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取得後に続ける運用のイメージ
有効期間は2年間です。取得後も教育や内部監査を続け、更新していくことを前提に考えます。
これらを整理したうえで、制度のサイトの案内や支援会社への相談を利用すると、自社に合った進め方を具体的に考えやすくなります。
FAQ
よくある質問
QPマークは部署ごとに取得できますか?
Q一度取得すれば、ずっと使えますか?
Q取得までどれくらいかかりますか?
Qコンサルティング会社が審査をするのですか?
Q取得にかかる費用はどれくらいですか?
Q取得したマークはどこに表示できますか?
運営者
株式会社ワークストラスト
